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いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト

経糸(たていと)の色調合と確認

色見本合成糊調合した染料捺染作業場新聞紙エピソード
掲載日:2016/3/16
■日時:2016年(平成28年)2月29日
■場所:石井捺染(なっせん)さんの捺染工場
■制作者:石井広美さん、石井茂夫さん
■内容:経糸(たていと)に染める色の調合と確認
 今回のプロジェクトで制作する併用絣3図案は、下記の色数で構成されます。
 赤いレンガ造り・・・4色、ツツジ・・・6色、時報塔(じほうとう)・・・ 4色
 捺染加工前に、図案で示される色を基準として染料を調合し、確認します。配合する色の数は、一般的に1色から5色。染料をぬるま湯で溶き、別途ぬるま湯で溶いた合成糊を混ぜます。調合時の各染料の分量は過去に培ったノウハウを活かして決定するとのこと。難しい色は淡い色。

取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/3/16 記

色の確認作業をする金井珠代さん(プロジェクト責任者)と石井広美さん、石井茂夫さん

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色見本

赤レンガの図案を元に染料を調合し、絹糸に染めた色見本を制作(下図の右側)

「赤レンガ」用に調合した色見本

「ツツジ」用に調合した色見本

合成糊

ぬるま湯で溶いた染料に、ぬるま湯で溶いた合成糊を混ぜます

粉末状の合成糊

ぬるま湯で溶いた合成糊

一斗缶に入った合成糊

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調合した染料




容器に入った染料(粉末)

ヘラについて

染料を混ぜてすくうヘラは昔は木製、
現在はプラスチック製とのこと。





染料(粉末)が入った容器

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捺染作業場


捺染台の端部にセットした一玉(8反分)

作業場風景。今回の経糸(たていと)の玉は8反、8反、4反、4反。
捺染台は一反(約12.5m)に前後の余裕長(2〜3m程度)を加えた長さ。

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新聞紙エピソード

捺染加工では下記2つの段階で新聞紙を大量に使用します。
(1)捺染時に台の上に敷く新聞紙。
(2)捺染後の経糸を巻き取る時に、糸面の間に挿入する新聞紙。

エピソード1

 捺染時に敷く新聞紙は、糸の隙間を通過した余分の染料を吸収させるためですが、条件として、

(1)折り目が残っていてはならない。
 (折り目の凹みで型紙との間に隙間ができて、塗りムラができる)

(2)カラー印刷紙は使用できない。
 (カラー成分が溶けて糸に付着してしまう)


 上記条件の内、(1)を満たす新聞紙を用意することは容易ではありません。石井捺染さんは重石でプレスして作るとのことですが、その期間は10年スパンの長期間で、供給が間に合いません。そのため、昔はこの条件を満たす新聞紙を専門に販売する業者さんがいたとのことです。

上毛新聞印刷センターさんからいただいた
白紙の新聞紙をプレス中

長期間プレス中の新聞紙

エピソード2

 昔は、上記条件(1)を満たす新聞紙を作るため、プレス専用台を製作・販売する業者もいたとのこと。石井捺染さんも数台使用していて、右図はその一つです。新聞面を置く面は緩やかな斜面です。

新聞紙プレス台

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