本日、当サイトの掲示板に寄せられた記事で、「エアカウンターS」を紹介していただきました。 販売元のエステー株式会社の記事によれば、2011年10月に発売した家庭用放射線測定器「エアカウンター」の後継機種として、性能をよりアップさせ、価格を下げた製品とのことで、2012年2月3日から出荷開始しています。 測定方式は半導体方式で、半導体センサーには、医療機関で使用されるエックス線計測器の技術を応用したシリコンフォトダイオードを使用し、β線をカットするフィルターを内蔵しているため、より高い精度でγ線を測定することができ、測定値については、国の認定を受けた第三者機関によって国家標準に基づいた校正を実施し、承認を受けているとのことです。 電源は単3アルカリ電池1本を使用し、1日2時間の使用で約2ヵ月使え、連続使用の場合は約60時間使用できます。初期版発売以降4ヵ月で後継機種が販売される事、背景には需要の多さがあると予想しています。 私も下記の記事でガイガーカウンタ方式で近所の2つの大きな公園を測定し、数値の高さにギョッとしましたが、これはβ線量も測定してしまうガイガーカウンタ方式の計測器だったので、β線をカットする安価な計測器を欲しいと思っていたところです。 早速に購入して、以前の測定場所で再度測定し、比較してみたいと思います。(2012/2/16 記) |
5歳と3歳、0歳の子どもを抱えた娘夫婦が千葉県に住んでいて、子ども達への生活環境における放射能被害について心配しています。私も娘家族が我が家へ里帰りした時に、孫たちが戸外で自由に元気に飛び回って遊べるよう、大気の放射能汚染は気がかりです。食べ物は汚染された食料は出荷されていない(はずな)ので避けることはできても、大気中の放射線量は目に見えない分、何とも捉え用のない不安があります。還暦を過ぎた私ら夫婦には、今更大した影響はないだろうと鷹揚に構えてはいますが、それでも無知のまま過ごすのではなく、汚染度の事実は正確に知りたいものです。 福島原発事故後の放射能汚染については、自分の勉強不足も認めながらも、政府や東電の発表内容や安全対策がイマイチ信用できず、安全だったはずの状況が実は危険だったと後で知らされることになったり、他にも言い始めたら切りがないくらいの苛立ちと不安が溜まっていて、一体国民はどうすればいいのでしょう。 そんな国と東電の姿勢に業を煮やしてか、福島県や近隣の地方自治体では独自に放射線量測定を始め、中には市民レベルで自主的に測定したりと、自己防衛を始めています。 原発事故による放射能汚染を知ろうとした時、事故が起きた時の大気の風向きや風力、飛散した放射線量などをインプットとして汚染の拡散シミュレーションを行えば、数値解析的には汚染エリアを推定できるのでしょうが、そこまでやったとしてもいずれはシミュレーションの範囲内なので正解であることの保証はできず、結局、市民レベルではアウトプットとしての現実環境の線量測定くらいしか方法がありません。 そんな時、娘家族がガイガーカウンターを購入し、昨日、それを持参して我が家へ里帰りしたので、早速にそれを借用して、近所の華蔵寺公園と波志江沼環境ふれあい公園で測定してみました。 娘夫婦が購入した測定器はロシア製の「SOEKS-01M 最新型ガイガーカウンター(*1)」で、価格的には普及品ですが、ロシア政府公認商品です。事前に「伊勢崎市の公式HP」や個人で自主的に測定している「いせさき子どものための放射線報告」で示されているレポートを確認しましたが、そこで使用されている測定器はシンチレーション式測定器で、ガイガーカウンターよりも精度が高く、またガイガーカウンターはβ線とγ線の両方を測定してしまい、放射線量測定ではβ線は測定しないとのことなので、その辺がガイガーカウンターの数値が高めに出たり、信頼性に欠けると言われる所以のようです。 これらのことも踏まえて、また、上記2つのHPで示される数値との差分を補正値として捉える参考にもなるので、今回はまずは測定してみることにした次第です。 測定日は昨日(平成24年1月22日)ですが、この日は実は偶然にも非常に意味があり、前々日が雪・みぞれ、前日が雨で、33日間続いた雨なし日後の降雨なので、大気中の放射能を全て洗い落して特別な数値が出るであろうと、放射能汚染に感心を寄せている人たちの間では重要な日だったようです。 測定方法は人為的測定誤差、機械誤差等を減らすため、また地表による差異等を確認するため、下記のような方法で行いました。 【測定場所】「華蔵寺公園」と「波志江沼環境ふれあい公園」 【地表面の状況】芝生、石畳、土、水面等を組み合わせ、各公園で4ヶ所選択。 【測定高さ】地表10cm付近と地表100cm付近。(子供が座った時と立った時を想定) 【測定回数】同じ場所、同じ高さで10秒ごとに表示される放射線量5回を1サイクルとし、2サイクル測定。 単位はμSv/h(*2) 【データ処理】5つの測定値の内、MAXとMINを切り捨て、残り3回の平均値を計算。 以下、結果をご覧ください。(2012/1/23 記) (*1) SOEKS-01M 最新型ガイガーカウンター 放射能・放射線測定器 RADEXシリーズ同様型検出器採用 高性能CEマーク付き SOEKS社(ロシア製) (*2)μSv/h(毎時マイクロシーベルト)。被爆量計算例はこちら |
測定に使用したガイガーカウンターについては精度や信頼性などの点から完璧ではないようですが、取りあえずの指標としての線量測定にはなったのではないでしょうか。 華蔵寺公園で0.15、波志江沼環境ふれあい公園で0.12の数値は伊勢崎市や計測隊長さんのレポートよりも高めですが、ガイガーカウンター方式のためだったのか、昨日は実際そのような数値だったのか確定できません。昨日は33日振りの降雨後と言う特別な日だったので、1ヶ月後くらいに再度同一調査地点で計測してみて、伊勢崎市や計測隊長さんのレポートと再度比較してみたいと考えています。 今回の測定に当たって、移動はいつものようにサイクリングで行い、測定地点間の移動時間は徒歩や車利用よりは早かったと思いますが、それでも、計器安定までの2分間、10秒ごとの測定5回、それを10cmと100cmとで2サイクルと、一つの公園でざっと40分かかり、余暇利用で継続的に行うのは余程の気構えがないと難しそうですが、サイクリング&取材ついでに、もっと簡便化した測定方法で継続できればとも考えています。(2012/1/23 記) ● 以下に、今回の放射線量による被曝量を試算してみました。 【条件】 0.17μSv/hを週2回、1回5時間(土日に5時間ずつ戸外で過ごしたとした場合を想定。) 【年間被爆量 S】 S=52週×2日×5時間×0.17μSv/h=88.4(μSv/y)=88.4/1000(mSv/y)=0.0884(mSv/y) ここにμSv/h=毎時マイクロシーベルト、mSv/h=毎時ミリシーベルト 国が示す子供への年間被ばく量の安全基準は掴んでいませんが、ネットで検索すると20(mSv/h)とか100(mSv/h)などと言う記事が見つかります。20(mSv/h)としても0.0884(mSv/h)は1/226となります。 実際は今回の福島原発事故によるものだけではなく、自然界に存在する様々な放射線、あるいはレントゲン検査による被曝など、様々な原因で被爆しているので、これだけで語っても意味がないことなので、これ以上の言及は控えますが、皆さんは1/226を多いと見ますか、それとも少ないと見ますか。(2012/1/23 記) →ご意見等はこちら(*)へお願いします。 (*)「伊勢崎のコトなら何でも」の掲示板です。当ページのテーマ専用ではありませんので、ご自由にスレッドを起こしてください。 ● 測定に使用した「SOEKS-01M 最新型ガイガーカウンター」。携帯電話程度の大きさです。 「SOEKS-01M 最新型ガイガーカウンター」は15,000円程度で購入できる普及品です。オークションなどを探せば、もっと安く入手できるかも知れません。この測定器が最適とは考えていませんが、機器特性を掴んで補正方法を掴めばやっぱり普及品価格と言うのは魅力です。下記はこの商品を含む商品PRです。外国製が主ですが日本製のシンチレーション方式の計測器(価格は10万円弱になります)も含まれています。参考にご覧ください。価格は日により変動するようなので、ご購入の場合には良く検討する事をお薦めします。 |