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平成28年 平和祈念講演会

伊勢崎空襲と戦争事跡

案内米軍資料から見た第二次世界大戦と伊勢崎
伊勢崎空襲の記憶(H29年H28年H27年
掲載日:2016/8/22
 8月15日、伊勢崎市文化会館で「平和祈念講演会・伊勢崎空襲と戦争事跡」が開催されました。主催は「伊勢崎空襲を語り継ぐ会」(会長 佐藤好彦さん)。

式典 主催者、来賓あいさつ

 冒頭の式典挨拶で、佐藤会長が伊勢崎空襲の記憶を若い世代に語り続けることの重要性を訴え、五十嵐伊勢崎市長は世界各地で戦争が繰り広げられている昨今、平和の尊さを日本から発信したいと伝えました。
 来賓は五十嵐伊勢崎市長のほか、伊勢崎行政県税事務所・所長 上田章二氏、伊勢崎市議会議長 矢島征司氏、群馬県議会議員の皆さん

主催者あいさつする佐藤会長

主催者の皆さん

来賓あいさつする五十嵐伊勢崎市長

来賓の皆さん
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 式典に続き、次の3部に分かれて講演が行われました。

講演第一部 伊勢崎市内の戦争事跡の報告及び児童感想文朗読

 「伊勢崎空襲を語り継ぐ会」会長の佐藤さんが、同会が事前に行った市内各所に残る戦争事跡を説明。詳細は今回配布資料にも収められています。
 昨年に続き、今年も伊勢崎市内の小中学校の社会科授業の一環として戦争の記憶の授業が行われ、伊勢崎市立第一中学校の生徒2名が感想文を朗読しました。

講演第二部 平和への祈り「伊勢崎混声合唱団」

 昭和56年結成の「伊勢崎混声合唱団」(指導者・指揮 田島秀男氏)。現在の団員は30名。

 この日、”さらば青春”、”白いブランコ”、”さとうきび畑”を合唱し、最後の曲”故郷(ふるさと)”は会場の参加者全員と 合唱しました。

伊勢崎混声合唱団の皆さんの合唱

講演第三部 米軍資料から見た第二次世界大戦と伊勢崎

講師 菊池 実 氏

 今回の主要テーマとして行われた第三部 「米軍資料から見た第二次世界大戦と伊勢崎」。講師は菊池 実氏。講演は米国・国立公文書館、日本・国立国会図書館憲政資料室、米国・アラバマ州マックスウェル空軍基地歴史資料室に収蔵されている資料を元に、氏が伊勢崎空襲の実態を調査した内容を解説しました。
 概要は下記にスライドを引用して示しますが、今回の講演を聴いて驚きかつ複雑な心境に陥ったのは、伊勢崎空襲は空爆機B29のパイロットが日本の降伏を知った後にも関わらず実行されたと推測されること。それは同時刻に熊谷空襲に向かっていたB29パイロットが、ニューヨークでは対日戦勝利記念日を祝っていることをラジオで聞いたとのメモが裏付けています。

 空襲が開始されたのは終戦日8月15日の0時8分から2時15分。爆撃停止命令が発せられたのは4時45分、5時11分。空爆実行部隊が日本の降伏をラジオで知っていても、命令が下されなければ停止できなかったと推測しますが、国が勝利に沸く状況の中、なぜ命令が遅れたのでしょう。開始したミッションは完遂させたかったのでしょうか。その辺の指揮命令系統の動きに関心が残りますが、いずれにせよ日本が降伏した日の深夜に行われた空爆。爆撃開始から停止命令までの時間はわずか5時間余り。そのたった5時間のために、伊勢崎市民40名余りが亡くなり伊勢崎織物組合や北小の歴史的洋風建造物が失われ、市街地が焦土と化しました。爆撃は伊勢崎に留まらず、玉村町や滝川村、岩鼻村、高崎市へも及び、40名余りが亡くなりました。

 負けを認めたにも関わらず止(とど)めを刺されたような伊勢崎空襲

 戦争が招く人間の異常心理とその結果の悲惨な結末。古今東西繰り広げられ、今もなお世界各地で起きていますが、この愚かな行為を正視し、二度と繰り返さないためにも、戦争の記憶を風化させず語り継ぐことの重要さを再認識した講演でした。(2016/8/22 記)

菊池実氏プロフィール
ハルピン師範大学勤務・群馬県立女子大学リサーチフェロー・新潟大学非常勤講師・元群馬県埋蔵文化財調査事業団勤務

講演する菊池 実 氏

講演する菊池 実 氏

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※下記は菊池 実 氏が講演に使用したスライドを引用したものです。一部、伊勢崎関連ヶ所に○囲いを加筆しました。


米軍史料の収集と翻訳・分析 ーB29・艦上機・偵察機ー

伊勢崎市街地に対するB29空襲(93機−86機−0機)


空隙目標に選ばれた180の都市
群馬県内では前橋、桐生、高崎、伊勢崎
太田は1945年4月、中島飛行機小泉製作所が空襲を受ける

伊勢崎・熊谷を含む最後の空襲は「フィナーレ爆撃」
と呼ばれたとのこと

米軍資料

Tactical Mission Report.Headquarters Twentieth Air Force. APO 114.

伊勢崎空襲(第16回中小都市空襲ー伊勢崎・熊谷)




参加機数と航跡

爆撃航程と爆撃方法

伊勢崎空襲・爆撃中心点は本町4丁目交差点

伊勢崎空襲爆撃中心点の本町4丁目交差点から半径914m

伊勢崎空襲・出撃機の概要

空襲後の伊勢崎・空襲の被害

案内

掲載日:2016/7/20  ▲ページTopへ
【期日】 2016年15日(月)
【開場】 午後2時00分
【開演】 午後2時30分
【会場】 伊勢崎市文化会館小ホール
【入場料】 無料
【主催】 伊勢崎空襲を語り継ぐ会
【共催】 伊勢崎市郷土文化研究会連絡協議会
【後援】 群馬県・伊勢崎市・伊勢崎市教育委員会・群馬県立女子大学・上毛新聞社・群馬大学

【問い合わせ】 佐藤さん(0270-24-1301)
伊勢崎市文化会館(伊勢崎市昭和町3918)
※上記案内を印刷する方法→(1)クリックして拡大表示 (2)案内文のどこかで右クリック (3)「画像を印刷する」

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伊勢崎市内に残る戦争事跡


伊勢崎市内に残る戦争事跡
※上記資料を印刷する方法→(1)クリックして拡大表示 (2)案内文のどこかで右クリック (3)「画像を印刷する」



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