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ちょっと気になることを調べる

掲載日:2018/7/28

スポーツドリンク

 猛暑が続く今年の夏。消防庁の調べでは、熱中症の症状で病院に救急搬送された人が7月16〜22日の1週間で2万2,647人に上り、2008年の統計開始から最多となったよう。テレビ各局は「命の危険に関わる暑さ」と警告しています。この暑さは8月上旬まで続くようです。

 メディアでは熱中症の予防対策を頻繁に報道していますが、その中で気になるのが、

■水分補給が熱中症の悪化につながることもある

 と言う報道。その理由は・・・
 汗を大量にかくと、体内の水分とともに塩分やミネラルも奪われ、そこに水分補給だけを行うと、血液中の塩分・ミネラル濃度が低くなり、様々な熱中症の症状が現れると言うことです。
 熱中症が疑われるときは、水分だけを補給するのではなく、塩分も一緒に補給しなければなりません。自分で食塩水を作ってもいいし、梅干しをしゃぶりながら水を飲んでもいいようです。食塩水は水1リットルに対して1〜2gの食塩。さらに、長時間のスポーツなどでは糖分も失われるので、砂糖などを加えるか、別途糖分を摂取した方がいいようです。

 そこで登場するのが・・・

■塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンク

 スポーツドリンクと言えば、テレビ等でも紹介しているのがポカリスエット。でもスーパーやディスカウントショップに出かけても、他のドリンク類に比べて価格が高く、隣に並んでいるアクエリアス等との差額が気になります。先日、ベイシア赤堀モール店に出かけると、ベイシアブランドのスポーツドリンクも並んでいて、何とこれはアクエリアスより更に安価です。
 熱中症予防は水分だけではNG。塩や砂糖を加えて自分で作ってもいいようですが、手間を考えると面倒です。やっぱりスポーツドリンクに頼らざるを得ません。テレビ番組などでも推奨するポカリスエットがいいのでしょうが、年金暮らしの我が身、同じ効果ならば安い商品を選んで節約したいものです。
 そこで、今回、この3商品について、成分等を調べてみました。1ccあたりの単価も掲載します。


アクエリアス、ベイシア・スポーツドリンク、ポカリスエット

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原材料名

製品名(*1) アクエリアス スポーツ
ドリンク
(ベイシアブランド)
ポカリスエット
名称 清涼飲料水 清涼飲料水 清涼飲料水
果糖ぶどう糖液糖
塩分
酸味料
塩化Na/クエン酸
クエン酸Na
塩化Na/酸味料 食塩
酸味料
香料
アルギニン(*2)
塩化カリウム
硫酸Mg
塩化Mg
乳酸カルシウム
酸化防止剤
(ビタミンC)
調味料 イソロイシン、バリン、
ロイシン(*3)
アミノ酸
甘味料 スクラロース
(*4)
アセスルファムK(*5)、
アスパルテーム・L・
フェニルアラニン化合物(*6)
砂糖
果汁(*7)

100ml当たり栄養成分表示

エネルギー 6kcal 25kcal
タンパク質 0 0
糖質 0 0
炭水化物 1.5g 6.2g
ナトリウム 49mg
食塩相当量 0.1g
カリウム 8.9mg 20mg
カルシウム 0 2mg
マグネシウム 1.1mg 0.6mg

内容量や単価

内容量 2000ml 2000ml 1500ml
価格(*1) 138円 95円 194円
1cc当たり単価 0.069円 0.0475円 0.129円
ベイシアスポーツドリンク
を1とした場合の、
他の価格倍率
1.45 1.00 2.72
販売者 コカ・コーラ
カスタマー
マーケティング(株)
(株)ライフドリンク
カンパニー
東京支社
製造者 大塚製薬(株)
備考 (公財)
日本学校保健会推薦
カロリーオフ イオンサプライ。
適切な濃度と体液に近い
組成の電解質溶液。
(*1)ベイシア赤堀モール店で2018年7月25日に購入

(*2)アルギニン:(Wikipediaを参照)塩基性アミノ酸の一種で、蛋白質を構成するアミノ酸としては最も塩基性が高い。非必須アミノ酸ではあるが、成長期には摂取が必要。糖原性を持つ。免疫反応の活性化、細胞増殖を促進し、コラーゲン生成促進などにより、創傷や褥瘡の治癒を促す。

(*3)イソロイシン、バリン、ロイシン:(Wikipediaを参照)アミノ酸の1種。疎水性アミノ酸、非極性側鎖アミノ酸に分類される。

(*4)スクラロース:(Wikipediaを参照)ショ糖の600倍の甘さを持つが、砂糖のように体内で炭水化物として消化、吸収はされないため、生理的熱量はゼロである。スクラロースを摂取しても、24時間後にほぼ100%が代謝・分解されることなく排泄されるため血糖値やインスリン値にも影響を与えない。

(*5)アセスルファムK:(Wikipediaを参照)ショ糖の200倍の甘味を持つ。(JECFA)の評価では変異原性・ガン原性は認められず、本物質・加水分解物ともに毒性試験では無害、各種動物実験でも安全性が確認されている。

(*6)アスパルテーム・L・フェニルアラニン化合物:(Wikipediaを参照)ショ糖の100〜200倍の甘味を持つ。 脳腫瘍との関連を指摘する報告はあったものの、再試験では否定されている。また、科学的に有効性が確認されている発がん性試験ガイドラインに沿った試験法では、アスパルテームに発がん性は認められていないため、IARCはアスパルテームを発癌性物質として区分していない。
※他のウェブサイトでは、アスパルテーム・L・フェニルアラニン化合物は最も危険な人工甘味料とされ、併用されることが多いアセスルファムK、スクラロースと共に避けるべき甘味料とのことで、それを強く訴える記事や、否定する記事等、様々な記事が見つかります。

(*7)成分に「果汁」の記述がありますが、商品名の脇に「無果汁」の記述があります。

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3種の比較

 3種のスポーツドリンクの原材料名等の比較は上記の通りですが、顕著な差異を並べると

(1)塩分がポカリスエットは”食塩”、他は塩化Na。ここで示す”食塩”が自然塩ならば、ミネラルを含んでいる。
(2)甘味料がポカリスエットは砂糖、他は人工甘味料。この人工甘味料の使用に関しては賛否あり。
(3)単価がベイシアスポーツドリンクを基準とすると、アクエリアスが1.45倍、ポカリスエットが2.72倍。


 ポカリスエットが安売りしない理由を特定できませんが、ポカリスエットは塩分と甘味料について、人工物でなく自然のもの(”食塩”および”砂糖”と表示)を使用していること、一方、他の2製品は塩分として塩化na、人工甘味料としてスクラロース、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム・L・フェニルアラニンを使用していて、これらの使用が人体に与える影響について様々な議論があることなどが理由の一つにもなっているように思います。

 40年ほど前、『暮らしの手帖』(*1)と言う月刊誌を購読していて、ある号で当時市販されていたスポーツドリンクを様々な観点で比較し、ポカリスエットに高得点を与えていたことを記憶しています。

 とは言え価格が安い他のスポーツドリンク。日々の必須飲料水として飲むならば、安価なことは重要です。どの商品を選ぶかは個人の価値観に任せた方がいいようです。(2018/7/28 記)

(*7)『暮らしの手帖』は広告を一切掲載せず、様々な商品を比較して発表することで存在価値を認められていた雑誌です。




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