塩島稲荷の大サザンカ
塩島稲荷神社の大サザンカ 昭和44年佐波郡東村指定
   佐波郡東村東小保方5156−2(現伊勢崎市八寸町5456−2)
 伊勢崎市から桐生に向う県道を東村へはいってから、更に2キロメートル程行った東小保方を右に入り、はじめての道をさらに右に入って100メートル程行くと、右手に小さな赤い鳥居がびっしり20メートル程の間に並んだのが目につく。その奥に小さな祠があり、前に大きなサザンカがある。周辺はややうらびれた感じがするが、塩島家一門のイナサ神社の神木として、三〇〇余年にわたって保護されてきたものである。塩島一門は東村誌によれば、中世末には八寸郷の元屋敷に居住していたが、後、元和、寛永中に現在地に移居し、一族は毎年二月の初午の日に稲荷神社前に参集し一家祭(イツケマツリ)をして氏子の敏(繁カ)栄を祈願している。
 県指定の物件にひけをとらない立派なものであり、目通り周1.35メートル、根元周1.5メートル、樹冠巾は東西8.6(メートル)、南北5.8メートルあり、花は淡桃色の一種である。一月中には花もかなり散り、あたり一面はピンクの花びらで敷つめられている。すぐそばに大きなツバキがあったそうであるが枯れたらしい。しかしこのサザンカの地際部には、あたかもサザンカの徒長枝のような格こうでツバキが一メートル程の高さに成長している。枯れたツバキの子供であろうか。(カッコは引用者。原文縦書きなので、横書きに改めた。数字は漢数字であったものを横書き算用数字とした。その他ごく僅か変更した。)